環境省、国立公園のブランド化で8園選定、阿蘇など

  • 2016年7月26日

 環境省はこのほど、国立公園を「世界水準のナショナルパーク」としてブランド化し、訪日外国人旅行者数の増加をはかるための「国立公園満喫プロジェクト有識者会議」の第3回会合を開催し、先行的・集中的にプロジェクトに取り組む国立公園として、阿蘇くじゅう国立公園など8つを選定した。同省は今後、各公園について地域協議会を形成し、環境整備などに取り組む。

 「国立公園満喫プロジェクト」は、政府が新たに定めた「明日の日本を支える観光ビジョン」において、2020年までに全国32の国立公園における訪日外国人の利用者数を、現在の年間430万人から1000万人にまで増やす目標が示されたことを踏まえて立ち上げたもの。8つの国立公園は、それぞれの地元の熱意や推進体制、観光資源としての潜在力、「先導的モデル」となるテーマ性などをもとに選定した。阿蘇くじゅう国立公園については、4月に発生した九州地震からの復興に向け、特別に選んだという。

 選ばれた8園がある地域では今後、関係自治体や民間団体、環境省や観光庁などの関係省庁が地域協議会を形成。ホテルの誘致や案内標識の多言語化、旅行商品の開発、情報発信のためのコンテンツ作成、体験メニューの素材発掘、ガイドの育成などさまざまな取り組みを推進する。選定された国立公園は下記の通り。

▽環境省、「国立公園満喫プロジェクト」選定結果
(名称/選定のポイントやテーマ)
・阿蘇くじゅう国立公園/災害復興、カルデラと千年の草原
・阿寒国立公園/観光立国ショーケース、エコツーリズム全体構想
・十和田八幡平国立公園/震災復興、温泉文化
・日光国立公園/欧米人来訪の実績
・伊勢志摩国立公園/伝統文化、エコツーリズム全体構想
・大山隠岐国立公園/オーバーユースに対する先進的取組
・霧島錦江湾国立公園/多様な火山と「環霧島」の自治体連携
・慶良間諸島国立公園/地元ダイビング事業者によるサンゴ保全の取組、エコツーリズム全体構想