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香港航空、成田線搭乗率8割めざす-以遠取り込みも

  • 2016年6月22日

(左から)HXのリー氏、ディスカバー・ザ・ワールドの根来氏、HXのウォン氏  香港航空(HX)は6月23日、7月1日に成田/香港線を1日2便で再開することを記念し、都内では初めてとなる旅行会社向けのセミナーを開催した。来日したHXビジネス開発担当副部長のジョニー・ウォン氏は、同路線をビジネスクラス32席、エコノミークラス260席のエアバスA330-300型機で運航することを説明。「大型機で座席数も多いため、販売には旅行会社の皆様の協力が必要」と強調した。搭乗率は80%以上をめざす。

 ウォン氏は本誌の単独インタビューに応え、利用者について「日本発・香港発で3対7の割合を見込んでいる」と説明。日本市場でのプロモーションやマーケティング活動を強化することで日本発の乗客を増やし、今後1、2年で割合を4対6にしたい考えを示した。

 HXは2010年10月から13年1月まで、成田線を1日1便で運航。今回は3年半ぶりの再就航となる。ウォン氏は、13年1月以前については訪日需要も現在ほどの勢いはなく「需要と供給のバランスが適切でなかった」と説明。「今回は高い訪日需要がある。HXの路線ネットワークも以前より拡大しており、中国全土から乗客を集めることができる」ことから、1日2便での再就航を決めたという。HX日本地区担当マネージャーのジェフ・リー氏も、「HXは現在、約30都市に就航しており、アジア諸国やオーストラリアなどからも集客できる」と自信を見せた。

 日本発については、香港以遠への乗継需要の取り込みもはかる。成田線は中国国内の18都市とバンコク、デンパサール、マレーシアのクチンへの同日乗継が可能。今年の11月に開設する香港/オークランド線とも同日中に乗り継げるという。

HXのA330-300型機  日本市場ではHX日本支社と、販売総代理店(GSA)を務めるディスカバー・ザ・ワールドの2社が協力して航空券を販売する。ディスカバー・ザ・ワールドのディレクターを務める根来勇人氏によれば、ターゲットはパッケージツアーやFITなどのレジャー需要と、業務渡航などのビジネス需要。OTAを含む旅行会社経由の販売に注力する方針で、なかでも「180度のフルフラットシートを提供しているビジネスクラスを積極的に販売し、LCCなどとの差別化をはかりたい」という。直販についてはウェブサイトの日本語化を順次進める。

 ウォン氏はそのほか、今後も日本/香港路線を拡充していく方針を示した。HXは現在、香港/新千歳、岡山、宮崎、鹿児島、那覇線を運航中。熊本線は九州地震の影響で運休中だが、今後運航を再開する予定だ。7月15日には関空線を1日2便で開設。当初は3月末からの運航を予定していた米子/香港線については、年内に週2便で就航する見込みという。今後は四国や石垣への就航も視野に入れる。

 セミナーでは香港政府観光局(HKTB)が、下期のパッケージツアー向けの旅行素材を紹介。HKTBは東京事務所の開設50周年を記念し、2階建てのオープントップトラムでの観光ツアー「TramOramic」を旅行会社に無料で提供。12月と1月の週末の夜に、1日2回実施する予定だ。このほか10月末のイベント「香港ワイン&ダイン・フェスティバル」を含むパッケージツアーの特典として、入場券やワイン試飲券などをセットにした1800円相当の「ボーナスパック」も提供する。