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観光庁、JTB中部に厳重注意書-6月中に報告書の提出求め

  • 2014年6月10日

 観光庁は6月6日、JTB中部多治見支店における高等学校の遠足バスの手配ミスと、ミスを隠すために生徒を装い手紙を出して遠足の中止を画策した件について、JTB中部に対し厳重注意書を発出した。

 厳重注意書によると、観光庁と中部運輸局がおこなった立入検査や事情聴取により、逮捕された社員はバス車両の手配を怠っただけでなく、旅行業法第12条の4第2項と5第1項にそれぞれ明記されている、取引条件の説明書面と契約書面について作成せず、書面を高等学校に交付していなかったことが判明。

 さらに、社員の上司で、多治見支店で選任されていた旅行業務取扱管理者がそうした事実を認識し得たにも関わらず、適切な措置を講じていなかったことが明らかになったとし、「事態を生じさせた要因の一つとして、組織の業務管理体制に不適切な点があった」と指摘。組織として事件の発生を未然に防げず「旅行業界全体の信用を失墜させる結果を引き起こしたことは、極めて遺憾」とした。

 その上で、JTB中部に対し、業務管理体制やオペレーションなどの仕事の進め方を根本から見直し、実効性のある法令遵守体制の確立と社内教育を徹底することで、旅行業務の適正な運営の確保に万全を期すよう求めた。今後は6月中に、業務改善方策とその進捗状況について記載した報告書を観光庁観光産業課に提出するよう要請した。

 厳重注意書の交付を受け、ジェイティービー(JTB)とJTB中部は同日、ウェブサイトに各社長名で「お詫びとご報告」と題した謝罪文を掲載した。

 謝罪文では、組織として十分な管理ができていなかったこと、内部統制活動が各社員にまで浸透していなかったとし、「JTB中部だけの問題ではなく、JTBグル-プ全体の問題と捉え、事件ならびに観光庁の厳重注意を極めて重く受け止めております」とコメント。今後は顧客や関係者からの信頼回復に向けて、グループをあげてルールの再徹底と社員教育・管理体制の強化に努め、再発防止に全力で取り組んでいくとした。

 JTB中部広報室によると、現在観光庁への報告書提出に向け、JTB中部の各支店で情報を共有しながら内容について詰めている最中。提出日は未定だが、「なるべく速やかに提出できるよう打ち合わせている」という。