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ハワイ・マーケットトレンド:各社の上期ハワイ商品検証
[掲載日:2010/03/04]  
マーケットトレンド:各社の上期ハワイ商品検証
〜料金アップでも快適な旅を目指し、「価格」から「質」へ〜


 2009年、サーチャージの値下がりや円高といった追い風を受けつつも、長引く不況や新型インフルエンザの流行のあおりを受けた海外旅行市場。ハワイも例外ではない。全方面で価格志向から品質志向への方向転換が顕著になってきた2010年春、各社はどんな取り組みでハワイ旅行の需要喚起をはかっているのか。上期商品が出そろった今、各社のハワイ商品を検証してみよう。
          
          
     
ホールセラーにはブランド変更の動き

 2010年春、各ホールセラーには大きな動きが見られた。これは当然のことながら、ハワイ商品にも変化をもたらしている。業界に最も衝撃を与えたのはJTB。「ルックJTB」ブランドにおいて、独自の手配力を生かし、航空会社および便名指定、レベルを確保した上でのホテル指定、ショッピング全廃などを行い、より中身の見える商品への進化をはかった。一方、日本航空(JL)の再建問題に揺れるJALパックは、「アイル」「アヴァ」の2ブランド制をやめ、「JALパック」ブランドに統一(実際には「JALパック」と、従来の「アイル」に近い「JALパックセレクション」、3ヶ月間設定の季刊商品は「JALパックスペシャル」の3カテゴリーで展開)。近畿日本ツーリストも、期間限定の「ホリデイスペシャル」を廃止、「ホリデイ」一本で商品を展開している。

 ブランド変更だけでなく、商品の価格や内容自体にも変化の兆しが見える。そのひとつが、「価格」から「品質」への転換だ。ルックJTBでは、ホテルのグレードを一定レベル以上に保った上、「パーシャルオーシャンビュー」については、「イメージと異なる」という参加者から複数寄せられた意見を鑑み、「オーシャンフロント」「オーシャンビュー」など明確なカテゴリーのみの利用とした。また全コースを通じて、ダブル、ツインなど客室のベッドタイプが選べるようにしたほか、航空会社および便名の指定、並び席の用意も追加料金なしで受ける。JALパックは、ホノルルの人気ホテルの高階層をブロックするなどして、オーシャンビュー、ダイヤモンドヘッドビューなどの部屋を用意している。

 こうした傾向は、メディア販売でも同じ。阪急交通社では、メインランドからの集客に苦戦するハワイの事情を好機ととらえ、今年はデラックス級ホテルの上位カテゴリーの客室を使った高級感のある商品を売り出し、好感触を得ている。また、利用航空会社の時間帯によって大きく料金の変わるハワイ方面においては、これまで価格を抑えるために、朝現地を出発する帰国便を利用するのが通例だったが、出発日もゆっくりできる時間の遅い便の利用商品を設定したところ、担当者も「正直、意外」と評する好調ぶり。少し料金が高くなっても快適な旅行がしたいという消費者の志向の表れととらえている。


現地滞在時の利便性が向上

 そのほか各ホールセラーがはじめた新サービスで目立つのは、昨年に引き続き現地での旅行者の利便性の向上をはかったものだ。ルックJTBでは、これまでクーポン1枚につき1回利用可能としていた「’OLI’OLIスニーカー号」を、追加料金なしで滞在中乗り放題としたほか、サポートデスク「’OLI’OLIステーション」を、従来のアロハタワーから、より利便性の高いアラモアナセンター内に移転した。

 JALパックのオアフ島滞在コースでは、これまで1日40本だった専用トロリー「レインボー・トロリー」の便数を104本に増やし、朝9時から夜10時まで7分間隔で走らせるほか、便のいいモアナサーフライダー・ウェスティンリゾート&スパ前の停留所の利用を可能にするなど、参加者の利便性を一気に高めた。オリジナル観光「ホクレア」については、追加料金なしのスタンダードルートのほか、追加料金ありの2つのプレミアムルートを設定している。

 ANAハローツアーでは、全コースで空港/ホテル間の移動に専用車を用意(オアフ島では、空港とワイキキのホテル間は専用リムジン)、空港での待ち時間をなくした。ホリデイも、追加料金なしで、全部で10の観光およびショッピングのコースが楽しめる独自のLai-Laiバスを新登場させるとともに、提示するだけでワイキキトロリーの3コースが乗り放題となるなどショッピングや食事の際にさまざまな特典が受けられる「Lai-Laiカード」、ワイキキの主要ホテル7ヶ所にテレビやマッサージチェアを置いた専用ラウンジ「Lai-Laiラウンジ」を用意した。行程で差別化を図るのが難しいハワイにあっては、こうした現地でのサービスの充実がホールセラーのアピールどころとなってくるが、それが今期、一層加速した形になったといえるだろう。

 「『ハワイに本気です!』宣言。」のキャッチコピーとともに2009年よりハワイキャンペーンを展開している直販のエイチ・アイ・エスも同様だ。2009年4月に運行を開始したオリジナルのLeaLeaトロリーに加え、今年は期間限定で、滞在中乗り放題のディナーエクスプレスも運行。これは人気レストランを巡るもので、リーズナブルなエスニック料理が楽しめる「ケアモクライン」と、地元の人たちに人気の洗練されたレストランエリア、カパルアからワイアラエ通りを抜ける「カイムキライン」の2ラインが設定されている。


マウイ島のJTBとハワイ島のJALパック

 こうしたなか、旅程の独自性をアピールするホールセラーもある。日本旅行の「ベスト」では、2009年下期から取り組みを開始した「エコな旅・エコと旅」のラインナップのひとつとして、「ハワイの大自然に触れる旅」を設定。世界遺産であるハワイ島のハワイ火山国立公園で溶岩ウォークを体験、マクロビオティックレストランでのディナーやハワイアンコアウッドでの「マイ箸」作り体験などを組み込んだ。

 隣島を巡るツアーについては、各社大きな動きはないが、ルックJTBでは、昨年に引き続き、「マウイNoKa‘Oi」キャンペーンを実施。小型車のレンタカーが追加料金なしで利用可能、人気オプショナルツアー2つ以上の申し込みで割引特典ありなどのほか、一部のホテル利用コースでは、島での滞在を1日延ばしても代金を同じとするプランも設定している。

 JALパックでは、オアフ島同様、ハワイ島でもオリジナル観光「ホクレア」を用意。追加代金なしの「コナ・コーヒー・ルート」のほか、185米ドルの追加料金で、キラウエア火山の火口ハイキングを含めた島一周ルートも引き続き設定し、集客に期待を寄せる。クラブツーリズムでは、オアフ島+ハワイ島の2島巡り、さらにはマウイ島を加えた3島巡り、「プライドオブアメリカ」利用のクルーズ商品を引き続き展開。アクティブ・シニアのリピーターを中心とした集客を見込む。

 セグメント別では、不況に強いといわれるハネムーンやアニバーサリー需要を見込んだ商品やサービスが目立つ。JALパックでは、人気ホテルの眺望のよい部屋の確約、ワイキキの絶景ポイントを熟知した現地ガイド同行による「メモリアル・フォトツアー」、サンセットディナーなどを盛り込んだ記念日旅行商品を設定。ANAハローツアーでは、ハネムーナー向けに、「60日前早期予約で1人1万円割引」「選べる観光つきツアー」など、特典の充実を図っているほか、ビジネスクラス利用追加代金を9万円からと、リーズナブルな価格に設定した。

 各社とも、価格によるアピールが影をひそめ、自由滞在を前提にツアー参加者の滞在をいかに充実させ、快適にするかに工夫を凝らす傾向が強くなった感がある。不況により、確固とした意志を持ってハワイを訪れるコア層の割合が増え、廉価ツアーではなく、より充実した時間を過ごすことを求める消費者の志向に反応した結果といえるかもしれない。


今週のハワイ50選
アラモアナセンター(オアフ島)
ワイキキ(オアフ島)
ハワイ火山国立公園(ハワイ島))


文・佐藤淳子






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