「旅行をあきらめない」ドラ息子、要介護者へ夢を届ける-ハンディネットワーク インターナショナル代表 春山哲朗氏(後編)

要介護・要支援者にも自己選択を
コロナ禍での試行錯誤から見えた新たな旅行の形

  • 2020年10月7日(水)
-旅行・観光業界は今後、要介護・要支援者ツーリズムにどのように取り組むべきでしょうか

春山 例えば観光地であれば、地域内でインバウンド向け、高齢者向けといった形で住み分けを行い、戦略的に運営するのもひとつのアイデアです。高齢者はホテル内消費が多いので客単価が高く、家族連れなどで人数も多いためオペレーション効率も良い。インフラを整えるための費用は掛かりますが、高齢者に限らず誰もが使いやすいユニバーサルデザインを取り入れることで、客室の単価だけでなく稼働率も上がったという例もあります。従業員に介護経験者を雇うことで、有料のオプションを設定することも可能でしょう。

 昨年までのインバウンド需要の高まりで、外国人宿泊客を多く受け入れていた施設では、料理の味付けなども外国人向けになっていると感じることがあります。それも求められる形に対応した結果ですが、質の高いサービスを提供し、客単価の高い高齢者をいかに取り込むことができるかが、マイクロツーリズムの流れの中で生き残る手段のひとつになるのではないでしょうか。

-最後に、日本の介護の今後についてもご意見をお聞かせください
父・母と3人で行ったイタリア旅行

春山 現状日本には、介護保険適用外の介護サービスはほぼ存在していません。たとえ資産のある方でも、食事や入浴介助といった基本的なサービス以外、望むサービスを受けることができないのです。生活の最低限を担保する介護保険は欠くことのできない制度ですが、選択肢のひとつとして、例えばマイカーを選ぶ時のように、介護サービスも自己責任・自己選択で選ぶことができるラインナップを増やしていくことが求められているのではないでしょうか。その中で、旅行というジャンルはとても分かりやすく、介護保険外サービス拡充の第一歩として良いテーマだったと考えています。

 今後は旅行以外の面でも介護保険外のサービスを充実させていく予定です。父の受け売りですが、理想のイメージは2階建てバス。1階部分で介護保険が担保する基本部分はしっかりと守り、2階に上がれば自己責任と自己選択で選べるサービスが用意されている。この2階建てバスが同じ目的地へ向かうことが、これからの日本の介護には必要だと考えています。

インタビューを終えて
 実は春山さんとは旧知の中なのですが、学生時代は典型的な「ドラ息子」でした。その彼が一念発起し(途中で再度挫折も経験して)社会的な課題の解決と事業を両立させるまでの話を伺いました。
 綺麗ごとや過度な平等志向では逆に取り残される人々が居ることも知り、我々観光産業に属する者も企画や商品造成に際しては参考にさせて頂きたいと思いました。

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