JTB山北新社長にインタビュー、コロナ禍でソリューション事業尖鋭化へ

元欧州本社代表、スピード感や多様性を重視
未来は「デジタル先進企業」プラス「人財力」で

  • 2020年6月30日(火)
-欧州で昨年のトーマス・クックの破綻を目の当たりにして、どのようなことを感じましたか

山北氏 山北 ライバルであるドイツのTUIが引き続き利益を生み出していることを考えると、レガシーのある企業としてのビジネスモデルを引きずったことだけが理由ではなく、要因は色々あると思う。ホリデーパッケージの変化に対応できていなかったことに加えて、デジタル化への対応や、航空機などの資産保有などにも工夫が足りなかったのではないか。

-過去最大の赤字を計上した18年度決算では、M&Aで取得した海外子会社の業績が振るわなかったことも影響しました。今後のM&Aについてはどのように考えますか

山北 M&Aについては市場におけるボラティリティ(価格変動)の影響が大きく、当初計画を下回ったため18年度決算ではのれんの減損処理を実施した。そもそもJTBのM&Aは投資目的ではなく事業戦略に基づくものだが、例えば欧州のDMCについては西欧から北欧、ロシアへと広げて、アジア発欧州旅行需要の獲得に向けたクオニイの買収も済ませたことで、戦略上必要なM&Aは終えている。その意味において、現時点はさらなるM&Aは予定していない。

-欧州などでのDMC事業は、今後はどのように変化しますか

山北 現在の状況では、欧州へのインバウンド事業は縮小せざるを得ないが、今後の新たな旅行形態を見据えて試したいこともある。日本発のツアーは一定数の参加者を集めて催行するものが多かったが、「ウィズコロナ」や「ポストコロナ」の時代には、「密」を避ける形でのツアー催行を試す必要があると考えている。

 例えばガイドサービスをリモート化したり、食事会などを分散して実施したりして、より安全で効率的にツアーを催行できる体制を考えたい。ツアーにおいて、必ずしもすべてのイベントをリアルで実施する必要はなく、今後はツアーにおいても「リアルとバーチャルのハイブリッド化」がポイントになると思う。

 そのほか、日本市場における欧州旅行商品は、商品価格の低下もありツアーの本数やルートの種類が減少し、バラエティを増しにくい状況が続いていたので、19年度にはシートインコーチ型のバス旅行を「ランドクルーズ」として発売した。バラエティに富むルートを運行するバス旅行に、各地から旅行者が参加する新たなスタイルの旅で、「密」を避けて安全に旅をするのにも有効と考えている。

-昨年は相談料の徴収にも取り組まれた、店舗運営の今後についてお聞かせください

山北 現在はチケット単品の購入から旅の相談まで、さまざまなニーズに幅広く対応し、店頭の裏には大きなバックオフィスを構える“フル装備”の店舗が多い。しかし今後の店舗はデジタルによる接点を拡大し、リアルとバーチャルのハイブリッドでサービスを提供するので、それに伴って小規模化するだろう。一方で、ショッピングセンターなどに出店する店舗は、買い物の際に立ち寄るお客様にとって利便性が高いので、ある程度はこのまま残っていくと思う。

-JTBグループの5年後、10年後の姿をどのように描いていますか

山北 まずはソリューション提供のベースになるデジタルプラットフォームを確立するのが大前提で、その上で「デジタル先進企業」になる必要がある。そこにJTBの人財の力を加えて、社会が求めるソリューションを提供できる企業になっていたい。

-ありがとうございました
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