緊急事態宣言、解除後の旅行再開は-再び東医大・濱田氏に聞く

収束は早くて夏休み前、再開には慎重さが必要
業界挙げて知恵絞り「安全な旅行」の準備を

  • 2020年4月22日(水)
-日本旅行業協会(JATA)は先日、早期の収束を前提として6月から観光庁との大規模な国内旅行キャンペーンを、7月から近隣国への海外旅行を開始するスケジュール案を示しました

濱田氏(2月末に撮影) 濱田 非現実的な案ではないと思う。収束の目処がつき、夏が近づいてくれば、流石に人々の気持ちも限界に近くなって「せめて近場には旅行したい」と思い始めるだろう。しかし旅行の再開には慎重さが必要だ。政府や旅行業界は、国内旅行のキャンペーンを始める前に知恵を絞り、「こうすれば安全に旅行できる」と明言できるよう準備を進める必要がある。

 例えば公共交通機関を使わず安全な専用車で現地まで移動し、人が少ない山でハイキングやキャンプを楽しむような旅行であれば、緊急事態宣言が解除されれば可能なのではないか。さらに状況が落ち着けば、感染リスクの低い宿泊施設を選び、食事はビュッフェ形式を避けて客室で取るなどして、人間同士の接触機会を極力減らした国内旅行を開始できるかもしれない。そしてその後に、安全なエリアから海外旅行の再開を模索するのが良いと思う。

-東京医科大学病院の渡航者医療センターで新たに取り組んでいることはありますか

濱田 今月に入り、「新型コロナウイルス感染症 よろず相談窓口」を開設した(関連記事)。海外に取り残されている日本人の、健康面に関するさまざまな不安をメールで受け付けるもので、医師と看護師が無料で回答している。

 1日あたりの相談件数は平均4、5件で、相談内容を見ると基礎疾患などがあって気をつけなくてはいけないケースもあるが、恐らくは不安などによってCOVID-19と共通する症状が出たと見られるケースも多い。そういった方々の不安を解消する力になりたいと考えている。

-旅行業界で働く人たちに、新たなメッセージをお願いします

濱田 まず、個人レベルでは外出を避け、企業レベルでは雇用調整助成金などを活用することが重要だと思う。感染拡大はいずれ収束するし、ワクチンができればCOVID-19は完全に終息して市場は回復する。それまではエネルギーを維持し、夏に国内旅行を開始するためにも安全な商品の開発に力を注ぐのが良いだろう。また、タクシー会社が始めている買い物代行サービスのように、旅行会社だからこそできる旅行以外のビジネスについて考えてみるのも良いと思う。

 前回のインタビューでは、航空機内は換気などが充分になされていて飛沫感染が起きにくいことについて述べたが、最近の調査では新幹線の車内も換気が行き届いていて、意外と安全であることが分かっている。こういった情報は一般的には知られていないので、「閉鎖空間だから危険」と思われがちだが、医療界の側からもそういった誤解を1つずつ解いていきたいと考えている。

 「もうそろそろ旅に出たい」と考えている人は、非常に多くなっているはずだ。感染症に対する不安に加えて、行動が大幅に制限された生活がすでに2ヶ月も3ヶ月も続いているので、誰もが大なり小なり精神的に参ってきている。そのような人にとって旅行は非常に良い薬といえるので、早く旅行業界が心の治療薬としての旅行を処方できるようになると良いと思う。

-ありがとうございました
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