緊急事態宣言、解除後の旅行再開は-再び東医大・濱田氏に聞く

収束は早くて夏休み前、再開には慎重さが必要
業界挙げて知恵絞り「安全な旅行」の準備を

  • 2020年4月22日(水)
-緊急事態宣言が5月7日以降にまで延長される可能性はどの程度ありますか

東京・西新宿の東京医科大学病院 濱田 今後の状況によって延長される可能性は勿論あるが、流石に夏まで伸びるようなことはないと思う。もしもそのような状況になることがあれば、罰則規定を含む、新たな立法措置が検討される可能性があるかもしれない。

 今回の宣言は経済的な影響に強く配慮している。とはいえ優先されるべきは、やはり国民の命や健康だろう。国民が旅行どころか移動するだけで感染が広がることについては、慎重にならざるを得ない。

 ただし日本の感染者数の推移を見ると、このような形の自粛要請でも欧米のような医療崩壊を招かず、ピークアウトに至る可能性は充分にあると思う。根拠となるのは、まずは日本人の国民性で、都市封鎖など強制的な施策に走らなくても、ある程度は自発的にルールに従う。加えて国民皆保険制度により平等に医療を受けられる体制と、盤石な医療機関がある。すべての医療機関がしっかりと力をあわせれば、医療崩壊には至らないだろう。

-日本の感染者数や死亡者数の推移をどのように見ていますか

濱田 感染者数については「PCR検査数が少ない」との指摘があり、実際には発表されている数よりも多いはずだが、一番大事なポイントは致死率が低いことだ。現在の全世界の平均は約6%で、欧州には10%以上の国もあるが、日本は2%未満で低クラスと言っていい。

 COVID-19で亡くなった可能性もあるが、他の原因による死としてカウントされているようなケースは、死因についてしっかりと調べる日本では非常に少ないと思う。新型コロナウイルスの感染力は季節性インフルエンザ並みに強いので、感染者数は今後も増えると思うが、重要なのは重症化して亡くなる人を減らすことだ。その点ではドイツなども比較的うまく行っていて、感染者数に比べて死亡者数は少ない。

-とはいえ2月頃と比べて状況は随分と変化し、「恐れすぎる必要はなく、健康な人はマスクも不要」とは言いづらい雰囲気になってきました

濱田 潮目が変わったと思ったのは、コメディアンの志村けんさんが亡くなった時だ。誰もが知る人気者が亡くなったことで、多くの人が「この病気は怖い」と実感したと思う。とはいえPCR検査数の少ない日本でも感染者の致死率は2%未満と低く、8割が軽症で済んでいることに変わりはない。

 勿論、2割が重症化することには引き続き注意する必要がある。季節性インフルエンザの致死率が平均で0.05%程度であることと比べれば、日本の致死率も数十倍の高さとなる。そしてインフルエンザにはある治療薬やワクチンが、COVID-19についてはまだ存在していない。

-今回の宣言によって感染拡大が収束した場合の、旅行需要の回復の見通しについて教えてください

濱田 うまく行ったとしても、収束は早くて夏休み前の7月頃になるのではないか。しかし直ちに回復に向けた動きを開始できるのは国内旅行だけで、海外旅行については現時点では目処が立たない。少し遅れて秋以降とするのが現実的だと思うが、この頃になると、国によっては感染拡大の第2波が生まれている可能性がある。

 日本は国民の皆さんや医療従事者が頑張れば何とかなるかもしれないが、インドやロシア、ブラジル、東南アジア、アフリカなどは、今後に感染が大爆発する危険を孕んでいる。特に医療体制が脆弱なアフリカで拡大したら、抑えこむだけで数年かかるかもしれない。しかもワクチンができるのは、1年以上先になる見通しだ。

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