米国駐在17年、米田社長に聞くKNT-CTの未来-業界誌初の単独インタビュー

地域分社化は「大正解」、異業種との協業や本業以外も模索
店舗は「対話型」へ、IT化は「悲観してない」

  • 2020年1月12日(日)
-これまでの海外での経験を、KNT-CTではどのように活かしますか

米田氏 米田 海外で学んだ最も大事なことはダイバーシティの大切さで、社会においても社内においても、さまざまな価値観を認めていかなくてはいけないと考えている。旅行に関して言えば、多様な国や地域からの訪日旅行者が増えることで、日本人は日本の多様性の素晴らしさに気づき始めた。個人的には日本は人が優しく、食事も美味しく、四季もあり、歴史も伝統もある「宝石のような国」だと思う。

 そのほかには、海外事務所の再活用も進めたい。日本発の海外旅行に関しては、現地のランドオペレーターと連携しながら新しいデスティネーションを開拓するとともに、着地型商品の開発を進めたい。訪日旅行については現地の旅行会社との協力関係を構築し、KNT-CTのブランド力を上げていく。

-ウェブ販売を強化する施策「Webファースト」はその後に「Webプラス」へと改称され、やや減速感を感じましたが、進捗状況はいかがでしょうか

米田 私の着任時にはすでに「Webプラス」に改称されていたが、引き続きウェブ販売の強化に加えてバックヤードのさらなるIT化を推進しており、現在はダイナミックプライシングに対応するためのシステム開発も進めている。KNT-CTにおけるIT化は少々遅れてはいるが、悲観してはいない。大きな改善が必要なのは個人旅行の分野だけと考えていて、航空券やホテルなどシンプルな商品の予約はOTAの影響を受けているが、今後は「シンプルではない旅行商品」のウェブ販売に注力する。

 ちなみに、クラブツーリズムに限ればウェブでの販売はかなり進んでいて、会員向け旅行情報誌の「旅の友」と電話が中心だった販売方法も大きく変わりつつある。昨年のゴールデンウィークの旅行予約のうちウェブ予約の占める割合は50%に達し、その後も9月末の時点で約40%と高い水準で推移している。50代や60代でも意外にスマートフォンなどの利用度は高く、通年でネット販売が半分を占める時代も遠くはないだろう。

-店舗販売のあり方についてもお聞かせください。昨年は相談料の徴収を試みた旅行会社もあり、業界の内外で注目を集めましたが

米田 ウェブ販売への流れが進む一方、最近では20代が店舗を利用するケースが見られ始めているとのレポートもあり、驚いている。ウェブでの旅行予約が当たり前のデジタルネイティブ世代にとっては、カウンターのスタッフと旅行について話すことが新鮮で、楽しいのではないか。

 ホスピタリティ産業の一員である総合旅行会社としては、やはりITだけでは不十分と考えているので、このようなヒューマンタッチの部分は残したいと思う。我々の店舗もこれ以上減らす予定はなく、今後については旅行の専門家であるスタッフとお客様との対話を重視する「対話型店舗」への変革に向けた準備を進めている。現時点で詳細を話すことはできないが、例えば結婚式などをお客様との入念な対話やコンサルティングで作り上げていくように、旅行も同様のコミュニケーションで提案する店舗にしたいと思っている。

 言うまでもなく、お客様とのコミュニケーションはとても重要だ。ホテルで言えば、4ツ星と5ツ星の違いはハードやサービスの違いから生まれるのではなく、宿泊されるお客様から生まれる。従業員が長年に渡ってお客様に磨かれ、その積み重ねが5ツ星ホテルの伝統と格式となって現れるのであって、旅行会社にも同じことが言えるだろう。

 相談料の徴収については、プロのコンサルテーションへの対価として考えれば正しいと思う。我々も税務相談をする際には税理士に相談料を支払うように、旅行業においても本来はそうした慣習が必要なのかもしれない。逆の言い方をすれば、販売する側は相談料を徴収できるくらいのプロフェッショナルになる必要がある。

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