【仕事を変える】HISモバイル社長 猪腰英知氏-旅行から通信事業へ果敢に挑戦

新領域でこそ感じるおもしろさ
後進には「自ら手を挙げて飛び込め」

  • 2019年4月22日(月)
-改めてHISモバイルの事業内容を教えてください

猪腰 MVNO、いわゆる格安SIMの事業者として日本人の携帯電話ユーザーとSIMを契約するビジネスと、日本人の海外旅行者に海外で利用できるSIMカードを販売するビジネス、インバウンド旅行者向けのプリペイドSIMカード事業も展開している。

-立ち上げられて約1年が経ちますが、事業の現況についてお聞かせください

猪腰 国内のMVNOユーザーについては、HISの店舗ネットワークを使って販売しようと考えていたが、想像以上に難しかった。格安SIMサービスの説明に時間がかかるし、店舗スタッフも通信を一から学ばなければならない。

 そもそも、お客様が旅行会社に来る動機は旅行商品を買うため。そこで全くフィールドの違う通信サービスをお勧めしても興味を持っていただける可能性は低い。HISが格安SIMを手がけていると認識して店舗に来ていただけないと厳しく、一旦はウェブ販売にとどめている。

 とはいえ、現在は比較サイトにHISの格安SIMサービスが掲載されたこともあり、契約は増加している。また、今後はスタッフへの負担が少ないSIMパッケージでの店舗販売も考えており、そうなればHISの店舗ネットワークが活かせてくると思う。さらに、将来的には携帯端末の販売も考えていきたい。

-海外SIMカードはいかがでしょうか

猪腰 海外旅行者向けのSIMカードはHISの顧客とマッチしており、順調に販売を伸ばしている。海外78ヶ国対応で1日500円で利用でき、しかもHISの格安SIMを既存のSIMの上に貼り付けるだけ。既存SIMと両方使うことができ、アプリでSIMカードの切り替えを管理する。WiFiルーターもいらずSIMカードの差し替えも必要ない。日本人旅行者は海外ローミングに対して警戒心が強いが、このSIMであれば高額請求の心配なく使える。近日中には、顧客の要望に答えて大容量プランなども提供していく計画だ。

 ただ、SIMロック解除やSIMフリーの認知がまだ高くなく、そこから説明から始めなければならないところに壁がある。そのため、ホームページ上にSIMロック解除の詳しい説明や、解除されているかどうかを確認できる機能も加えている。今、SIMロック解除を積極的に勧めている事業者はHISだけではないか。

 今年1月からはAmazonでの販売も開始し、2月、3月と売上も伸びている。それにともなって、自社サイトや店舗への流入も増えてきた。これから認知が上がっていけば、ユーザーはもっと増えていくだろうと期待している。

 差別化ポイントとしては、しっかりとした日本語サービス。日本語マニュアルに加えて、日本人のコールセンターと日本人によるメールサポートも整えており、日本人ユーザーには信頼していただけていると思っている。

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