インタビュー:外務省領事局海外邦人安全課長の石瀬素行氏

邦人の安全確保に「旅行会社も巻き込む」
「たびレジ」などで官民連携推進

  • 2017年3月29日(水)

石瀬氏  外務省の領事局で海外邦人安全課長を務める石瀬素行氏はこのほど本誌のインタビューに応え、テロ事件や感染症などの脅威が拡大する今日における海外旅行者の安全確保や、旅行業界との協働のあり方などについて語った。石瀬氏は1992年に入省し、国際連合日本政府代表部参事官、在ロシア大使館参事官、内閣官房TPP政府対策本部参事官などを歴任したのち、2015年12月に現職に就任。まずは就任からこれまでの1年強について振り返っていただいた。


-就任後、海外では数多くのテロ事件などが発生しました

石瀬素行氏(以下敬称略) テロ事件だけに限らず、自然災害や治安の悪化、暴動、さらにはクーデターなどの政変まで、問題が世界中に拡大していることが印象的だ。昨年の7月だけを見ても、バングラデシュでは日本人襲撃事件、南スーダンでは武力衝突による邦人退避、フランスのニースではトラックによるテロ事件、トルコではクーデターがあり、特定の地域を避ければ安全とは言えないことが分かる。また、これらの国々に限らず、例えば留学生が多い米国では銃の乱射が多い。短期の旅行だから大丈夫、田舎にしか行かないから大丈夫、とは言えなくなっている。

 テロ事件については、警備の薄いソフトターゲットをねらうケースが増えて、未然に防ぐことが難しくなってきた。とはいえ「仕方がない」と諦めるわけにはいかない。情報を収集し、ねらわれやすい場所や時間帯などの特徴について分析し、事前に傾向を掴むことができれば、ある程度は被害を防げると考えている。そのなかで得られた注意事項は「海外安全ホームページ」などで世間に広くお伝えする。たとえ事件の発生は防げなくても、日本人の被害者を出さないために最善を尽くすことが、我々のミッションと考えている。


先ごろ発表された15年の援護件数は前年よりも減少しましたが、依然として高い水準にあります

石瀬 15年の出国者数は前年に比べて減少したので援護件数も減ったが、減少率については出国者数のそれよりも小さかった。気になったのは日本人の死亡者を出したテロ事件が3件もあったことで、14年以前は多くても2件だった。たった1件とはいえ、件数がこれまで以上に多かったことは重く受け止めるべきだと思う。

 また、数字では示しにくいが、近年は女性が事件に遭うケースが多いと感じている。昨年にバンクーバーで日本人女性が殺害された事件や、最近のフランスのブザンソンでの行方不明事件を見ても、改めてそのような印象を受ける。女性に対する犯罪が社会問題化している国もあるので、単独行動の多い女性は注意してほしい。

 とはいえ、日本人が海外で遭遇する犯罪の大多数は、置き引きやスリ、詐欺などの財産犯だ。海外における基本はやはり「自分のことは自分で守る」で、日本では電車のなかで寝たりしても大丈夫だが、残念ながらそのような意識は海外では通用しない。我々としては、まずは適切な安全対策を取っていただくための情報提供に努めており、その上で何かあれば、現地の大使館や総領事館が力になっている。

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