キーパーソン:JATA理事・事務局長の越智良典氏(後)

安心・安全の確保に向け日々の努力を
旅行会社が損をしないためには

  • 2017年3月1日(水)

─クリスマス市に近づけないとなれば、年末のヨーロッパには行けなくなります

越智 どのように工夫すれば安心と安全を確保でき、お客様を送り出せるのかを考えることが重要だと思う。「このエリアは車両が出入りできないから、添乗員がしっかり案内して、短時間立ち寄るだけなら大丈夫」とお客様に自信をもって説明できれば、ツアーを中止しなくて済むかもしれない。

 例えば、JATAや全国旅行業協会(ANTA)などの業界団体と、日本経済団体連合会(経団連)などの経済団体が15年に派遣した「日インドネシア文化経済観光交流団」については、実は出発の2ヶ月前に「ジャカルタでテロが起こる可能性がある」との情報が得られていた。そこで外務省と相談し、急遽宿泊先をショッピングセンターに隣接した中心部のホテルから、郊外のセキュリティ管理がしやすいホテルに変更し、何とか派遣を実現させている。その訪問から2ヶ月ほど後、ジャカルタのダウンタウンでは爆弾テロ事件が発生した。

─情報武装以外にできる取り組みはありますか

越智 勿論、何かのマニュアルなどに書きました、インターネットで情報を発信しました、といった程度の取り組みではいけない。旅行会社は日頃から何かあった場合のために訓練をし、能動的に動けるようにしておく必要がある。14年から7月1日を「旅の安全の日」として定め、模擬訓練などを呼びかけているのも、そのような考えに基づくものだ。

 近畿日本ツーリスト(KNT)ではそれ以前から模擬訓練を実施しているが、実行に移してみると緊急連絡網ひとつとってもいろいろと思うようにはいかず、日頃から備えなくてはいけないことが分かる。何かあった時にうろたえず、判断を間違えず、お客様の安全を確保できることが、結果的には旅行会社が損をしないことにつながっていくと思う。

 記者会見の予行演習なども、できるだけ数をこなしておいた方がいい。いきなり会見に臨んでも、冷静に立ち回ることはまず不可能だ。年に1回でもいいから練習をして、録画した映像を見返すだけでも随分と違う。特に中小企業は、記者会見、お客様対応、行政への報告を同時におこなうことが難しいので、株式会社ジャタと日本アイラックが提供している、事故処理対応のための「JATA重大事故支援システム」に加入することをおすすめする。専門の担当者を雇うよりは大いにリーズナブルだ。情報武装、訓練、そして保険の3つが、企業規模を問わず大事なことだと思う。

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