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インタビュー:ANAセールス代表取締役社長 白水政治氏

販社として座席販売に注力
旅行会社と「信頼関係高める」

ANAセールス代表取締役社長の白水政治氏

 4月1日付けでANAセールス代表取締役社長に就任した白水政治氏。全日空(NH)の悲願であった羽田国際化が実現し、傾斜配分により国際線の事業規模も大幅に拡大した中で、ANAセールスには座席の増販が求められている。国内線、国際線ともにライバルの日本航空(JL)を上回った座席供給量をいかに需要で埋めていくか。白水氏に方針を聞いた。


-ご就任に際してのお気持ちをお聞かせください

白水政治氏(以下、敬称略) まずはセールス会社、営業会社であるということを再認識しながら、航空座席の販売と旅行事業で売上と収入を最大化する努力を惜しみなくやっていく。ANAグループの中のANAセールスの存在感を確固たるものにしたい。収入を得る最大の会社はANAセールス。さすがANAセールス、ANAグループはANAセールスに支えられているな、と思われるような確固たる地位を築きたい。

 この実現のためには組織力が必要。こういった組織、会社にするぞ、やるんだという目標を社員に明確に伝えて、その為に何をしていくかということは社員1人1人にも考えて欲しい。

 強い組織力の理想的な姿は明確だ。ANAグループの創業理念で、「和協の精神」というものがあるが、社員同士が助け合い支え合い、1つの目標に向かって1人も落ちこぼれずに進めた時に、強い組織が出来上がる。最も弱い立場の人間を支え上げていく組織は強い。

 社員を大事にしない、社員同士の思いやりが無い会社にお客様を思いやることができるわけがない。社員には、仲間に対する思いをしっかり持て、仲間がいるから仕事ができているんだ、と伝えている。


-販社として、グループの成長戦略の中でどのような舵取りを求められているとお考えでしょうか

白水 一つ明確にいえるのは羽田の国際化だ。成田ではできなかった地方からの接続が、羽田では間違いなくできる。このビッグチャンスを間違いなく成功させる。アウトバウンド、インバウンドともに取り逃がさないように国際線を販売していく。また、国内線においても収入の最大化に取り組む。


-海外旅行事業の現状についてお教えください

白水 少し前から「ANAワンダーアース」という旅行代金が平均89万円という高価格商品を展開している。数も少なく黒字にはまだ至っていないが、お客様からの評判はとても良い。他の旅行会社でもそういった商品を作っていらっしゃるが、それに負けないような商品作りをこれからも続けていく。

 ハローツアーの取扱規模は市場全体からすると1%程度のシェアだが、羽田の国際化で地方需要の取り込みを進めたい。各地域からの送客数は現状では残念ながら非常に少ないため、これを劇的に増やす。例えば支店単位で年間送客数が50名というような例もあるが、300名くらいはめざせるだろうといっている。伸びしろはいくらでもある。