トップインタビュー:エティハド航空日本支社長 稲場則夫氏

2013年は飛躍の年
きめ細かいサービスで需要獲得へ

2010年に中部/北京/アブダビ線と成田/アブダビ線で日本に就航したエティハド航空(EY)。2003年の設立ながら、他社への積極的な投資など独自の提携戦略を含めて急速な成長を遂げている同社だが、日本では中東のイメージが強いこともあってか、その実態はあまり知られていない。アメリカン航空(AA)日本地区旅客営業本部長など旅行業界での長い経験を持つEY日本支社長の稲場則夫氏に、日本市場の現状や今後の戦略について聞いた。


-はじめに、エティハド航空とはどのような会社かについてご説明ください

稲場則夫氏(以下敬称略) 2013年が10周年だが、すでに1万人の従業員がいる。しかも従業員の国籍は130に及び、非常にダイバーシティの豊かな会社だ。現在は68機の航空機で86都市に就航しているが、これからさらに機材のデリバリーが進んでくる予定だ。

 他の中東系航空会社と比較して何が違うかというと、まず会社のビジョンとして「世界最高の航空会社」をめざしている。「世界最大」ではなく、事業規模を意識した戦略はとっていない。また、国際線をメインにしていることも特徴だ。

 地理的には、アラブ首長国連邦(UAE)は7つの首長国から成り立っているが、EYの本拠地であるアブダビはUAEの国土の80%を占めている。特徴としてはやはり石油産業だ。EYとしては、このアブダビへの訪問者を増やしながら、UAE全体、それから湾岸諸国へのビジネス、観光需要を取り込んでいく。労働者の移動需要や、巡礼の需要もターゲット。日本市場についていえば、労働者は少ないが、巡礼は多くご利用いただいている。

 また、提携戦略は他社とかなり異なる。現在のコードシェアパートナーは41社で、これらの会社のネットワークを含めるとEYの路線網は327都市に広がり、売上のうち約20%が提携航空会社から入ってきている。ヴァージン・オーストラリア(VA)、エアベルリン(AB)、エアセイシェル(HM)などの株式取得は、経営をコントロールするためではなく、提携関係を深化させるためのもので、今後のビジネスモデルにもなっていく。


-日本市場の位置付けについてお聞かせください

稲場 日本とUAEという国家間の関係からいっても重要度の非常に高い市場だ。UAE、あるいはアブダビの石油については、日系企業とも非常に長い取引があり、例えばアブダビの日本人学校の設立も古い。これが大きな基礎としてある。そして、それ以外にアブダビ以遠のビジネス、レジャーの需要を見てもまだまだ取れるところがある。

 2012年9月の実績ではロードファクターは87%を維持できており、2013年第1四半期までは同様の傾向が続いている。日本/欧州間では機材の大型化が進んでいるが、我々はエアバスA330-200型機を使用しており、ビジネスクラスが22席、エコノミーが240席。効率の良い運航を心がけている。現在は成田/アブダビが直行、中部発は北京経由で運航しており、いずれも週5便。成田は夏にデイリー化する予定だ。