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ボイス・フロム・ハワイ:ワイキキ・ビーチウォーク総支配人マラキ氏

  • 2009年8月27日
消費傾向は高級ブランドから流行のリーズナブルな商品へ
個性的な店舗が旅行者と地元客をひきつける


 約2年前に、ワイキキの中心部にグランドオープンしたワイキキ・ビーチウォーク。カラカウア・アベニューからルーワーズ・ストリート・エリアに至る約3万2000平方メートルのスペースを占める複合施設で、レストランをはじめ、ショップ、ホテル、タイムシェア用施設などからなる最新スポットとして、観光客をはじめ地元の人たちの間でも常に話題を集めています。今回は総支配人のコンチタ・マラキ氏に、最近の観光客の消費動向からワイキキ・ビーチ・ウォークでの楽しみ方、プライベートタイムの過ごし方まで、お聞きしました。

ワイキキ・ビーチウォーク総支配人 
コンチタ・マラキ氏



Q.最近の日本人観光客の消費傾向について変化を感じますか

 一時期のような高級ブランド志向が減り、価格的に求めやすく、かつ最新の流行を取り入れた商品に敏感になっていますね。現在のハワイでは、多くの観光業者が韓国や中国からの旅行者誘致に力を入れていることも事実ですが、ハワイには日本人旅行者を受け入れてきた長い歴史があります。私たちは日本人の好みを十分に理解しているつもりですし、日本人もハワイには特別は思いがあると信じています。


Q.小売店は景気の影響を受けているのでしょうか

 リース契約が終了して撤退した店舗はありますが、昨今の不況によって撤退したところはありません。「ラクジュアリー・ロウ2100カラカウア・アベニュー」のほかカラカウア通り沿いの高級ブティックは、この不況時には敷居の高い場所として敬遠されがちですが、ワイキキ・ビーチウォークにはいわゆる高級ブランド店がないのが特徴です。強いていえば「フォリフォリ」ぐらいですね。そのため売り上げの落ち込みはそれほど感じられません。

 最近は、カナダやオーストラリアからの旅行者も増えています。ロコもダイニング・スポットとして足を運んでくれるので、旅行者とロコの割合は半々くらいでしょうか。ワイキキ・ビーチウォークのあるルーワーズ・ストリートは、かつてあまり華やかな印象のない通りでしたが、そんな当時を知っているロコが新しいストリートに変身したことで、戻ってきたという感があります。それに「マナ・ハワイ」と「アンダー・ザ・コア・ツリー」といった、すべてハワイ産の製品を扱った店舗が2つあるのも特徴です。20米ドルくらいのお手頃なイヤリングなども売っているので、ハワイの記念品をお探しのときは、足を運んでみてはいかがでしょう。


Q.併設のホテルの状況はいかがでしょうか。今年は新オープン予定もありますね

 現在、ワイキキ・ビーチウォークにはヒルトン・ホテル傘下のエンバシー・スイート・ワイキキ・ビーチウォーク(エンバシー)と、タイムシェアのウィンダム・バケーション・リゾーツがあります。エンバシーではヒルトンの会員制度のポイント利用が可能で、不況の今だからこそポイント還元のあるホテルやタイムシェアを使って、多少でもお得感が得られるホテルに人気が集まる傾向があります。不況の影響で厳しい状況にあるなかでもワイキキ・ビーチウォークの2軒のホテルは一定の宿泊客数を保つことができています。

 それにいよいよ今年11月16日にはトランプ・インターナショナル・ホテル&タワー・ワイキキ・ビーチウォークのホテル・コンドミニアムがオープンします。今は、全般に出費を控える傾向がみられるとはいえ、高額コンドミニアムということで話題を呼び、富裕層が購入しているのも事実です。隣接している私たちとしてはマーケットの拡大という意味で大いに歓迎していますし、期待もしています。


Q.ワイキキ・ビーチウォークのセールスポイントはどこにあるとお考えですか

 施設のなかでも主役となっているのは、やはりレストランです。一番人気といえばビア・レストラン「ヤード・ハウス」でしょう。ここには世界各地の珍しいビールをはじめ130種類がそろっており、ローカルの人々にも人気の店です。オーナーシェフのロイ・ヤマグチ氏がハワイカイに第1号店をオープンして以来、世界で知られるようになったレストラン「ロイズ」もあります。また、「タオルミーナ・シチリアン・キュイジーヌ」は、本格的なイタリアのシチリア料理を日本人シェフが手掛けていることでも注目されています。ここのウニパスタは絶品ですね。そして「ルース・クリス・ステーキハウス」もお勧めです。

 近くにホテルやコンドミニアムがあることもメリットです。特にハレクラニホテルのお客様はリピーターが多く、ホテル以外のレストランを希望するお客様にコンシェルジェがワイキキ・ビーチウォークを勧めてくれることが多々あり、立地に恵まれているといえます。


Q.そのほか、ワイキキ・ビーチウォークでの楽しみ方を教えてください

 ワイキキ・ビーチウォークはカルチャーやエンターテインメントにも力を入れています。ファウンテン・ステージでは、毎週火曜の午後4時30分からク・ハアヘオのフラの無料ショーを開催しているほか、毎週日曜の午後5時からは、「サンデー・ショーケース」と題して音楽やフラダンスを上演し、無料で観賞することができます。そして今年6月にはワイキキ・ビーチウォーク内のショップ「マナ・ハワイ」に「スタジオ・ワイキキ・ビーチウォーク」を開設し、フラをはじめウクレレなど無料のカルチャーレッスンをスタートしました。

 このほかにも「JALフラウィーク」の開催期間にあわせて多くのイベントを開催。アメリカ元大統領のビル・クリントン氏およびジョージ・ブッシュ氏、さらに英国のチャールズ皇太子や日本の天皇陛下にもフラを披露したことで知られるブレイン・カマラニ・キア氏といった有名ダンサーもイベントに登場し、大いに話題を集めました。


Q.週末はどう過ごされていますか。お勧めのスポットがあれば教えてください

 私はゴルフが大好きです。オアフ島だけで31ものゴルフコースがあり、ハワイ州全体となると100に近いのではないかと思います。ハワイは晴天の日が多く、気候もよいので、その分ゴルフができるチャンスはたくさんあります。仕事が早く終わる人は夕方からのプレイも可能です。私は米本土のバージニア州の出身ですが、ハワイに20年以上住んでいて、すっかりハワイが気に入っています。

 あとは、食べることも好きですね。娘は「田中オブ東京」の大のファンで、鉄板焼きのレストランはほかにも数々ありますが、ここの味付けが一番気に入っているようです。あとはワイアラエ・アベニューにある「にんにくや」です。強烈なガーリック料理が多いですが、とにかく美味しいですね。



ありがとうございました


取材:堀内章子