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スペシャリスト・インタビュー 株式会社日本旅行 新宿支店 半村憲子さん

自分が旅した楽しさは、言葉に乗って伝わる

今までのインタビューでは、DS養成講座について「得意・好きな場所」「業務上の担当地域」、または「自分の苦手な場所」などと、意識の強いデスティネーションを選択される方がほとんどでした。しかし、今回ご登場いただいた半村さんは「先入観なしで一から学習したい」と、一度も旅行をしたことのない台湾を希望されたそうです。受講期間中にプライベートで旅行をし、その魅力にはまったという半村さんは「興味が沸いたから、現地の魅力を引き出せた。DSはその知識の土台作りに役立つ」とおっしゃいます。お話を伺いました。

株式会社日本旅行
新宿支店 半村憲子さん

 2006年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト 台湾認定


Q.受講中に出かけた台湾旅行はいかがでしたか

本当は教材で下調べをしてから出かけようと思ったのですが、なかなか時間がとれず、予定していたよりは調べることはできませんでした。ただ、私はカウンター業務ですから、旅行者がよく行く場所やその魅力を知ることが重要なので、普通の旅行者として純粋に楽しみました。やはり実際に旅行すると、ガイドブックや写真では伝わらないものがあります。特に台湾はフリーのお客様が多いですから、自分が体験したことは役立ちます。

旅行するまでは、私は台湾に対して庶民的なイメージを抱いていたのですが、台北は世界一高いビル「台北101」をはじめとする近代的な建物も多く、街のあちこちで雰囲気が違う魅力的な場所だと改めて思いました。街を散策しながら日本との違いを見つけるだけでも楽しく、4日間の旅行でしたが、「もっと行きたい場所があったのに」と、時間が足りないのが残念だったくらいです。

Q.ご自身の目で確かめた、おすすめの場所を教えてください

雰囲気でいえばやっぱり夜市です。賑やかさはなんともいえないもので、ついつい予定以上に夜市を巡っていました。それから帰国日の午前中に「台北101」に上ってみたのですが、展望台からの眺めは壮観。上空からの景色なんて東京タワーなどと変わらないのではと思いましたが、昨日まで観光していた街を360度見渡せ、まさに最後に台湾を見下ろした気分になれてよかったですよ。

また、永康街の界隈は特に女性におすすめ。マンゴーのカキ氷で日本でも有名な店「冰館」があるエリアで、周辺にはオリジナルの品を売る雑貨や茶芸館、おしゃれなカフェなどが並び、まるで台湾の“代官山”みたいな場所です。

Q.カウンター業務のお仕事のコツはありますか

私はお客様が旅行した場所をお話をされるとき、自分が旅行したことのない場所の場合は、聞き役に徹します。するとお客様はいろいろとお話してくださいます。そういう時はとてもいきいきとした表情になり、とても楽しそう。魅力のある場所に思えて、聞いているうちに私もそこへ行きたくなります。

これは私が旅行を説明する場合でも同じで、やはり自分が好きな場所、その良さが話す雰囲気からも伝わるんだと思います。実際に旅行をした場所と本だけで得た知識だけの説明では大きく違いますし、現地を訪れたとしても興味を持って旅行しなければ、本当の魅力を引き出すこともできないと思います。そういう知識の土台を作るという意味で、DSは役立ったと思います。

Q.旅行業界の仕事を長年続けてこられた魅力はなんでしょうか

接客のお仕事なので、いろんなことがあります。頑張ったけれど満足されない時、自分の想いが伝わらないとき、自分がお客様が希望するデスティネーションに行った経験がないから他のスタッフに代わって欲しいといわれたときなど、自分の知識がお客様の求めに達していない時は悔しいし、残念だし、情けないと思います。

でも反面、努力したことに対して「ありがとう」と、声をかけてくださいます。「次もよろしく」と言ってくれる長年のお客様もいます。私はリピーターのお客様が本当に励みになります。最初の支店の時からのお客様もいらっしゃいますし、お客様が地方に転勤になっても、都内に戻ってから再度利用していただくこともあります。そういう信頼関係が築ければ、分からないときには「調べる時間をください」とお願いすることもできます。今ではそういうお客様に「忙しいのにごめんね」と気を遣わせてしまう時が、悔しく思います。

ただ、最近は一般的に、お客様の指名が重荷に感じる傾向があるようですね。自分のお客様を持つことは大切なことなので、残念に思います。それは自分のお客様を持って初めてわかることなので、後輩に伝えていくのは難しいことかもしれませんね。

ありがとうございました。


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