「観光DX」の課題と可能性、バーチャルツアーやMaaSの未来は?

IDMとトラベルビジョンなどがイベント共催
観光地の「世界観」構築し旅行者ニーズに応えよ

  • 2020年12月2日(水)

観光MaaSには「世界観」を

 セッション3では「観光MaaS」をテーマに設定。WILLER代表取締役の村瀨茂高氏、ナビタイムジャパンでインバウンド事業部部長を務める藤澤政志氏、そして大型テーマパークやスキー場、展望施設などにチケット発券システムや運営システムを提供するグッドフェローズ代表取締役社長の磯部昌美氏が登壇した。

 このセッションでは観光におけるMaaSの実現可能性について議論され、これまでのMaaSの取り組みでは観光地が組み込まれてこなかったのに対し、既存の交通機関をつなげるだけでなく、旅行者が行きたい場所にストレスなく行けるようにしなければ無意味であると指摘。この顧客目線が重要であるとした。

 優れた例として挙げられたのがディズニーランドのアプリで、「エリア内に全く異なる観光資源がいくつもあるが、一つの世界観のなかで色々とやっている。混雑情報や予約情報の取得、行くまでの交通そのものも世界観として捉えている」(藤澤氏)ことから、DMOや自治体のリーダーシップのもとで観光地が観光地としての世界観を持ち、その中で旅行者が期待する旅行を実現できるようにすべきと話された。

データを集め活用する仕組みづくり

 デジタルトランスフォーメーション推進協会代表理事の森戸裕一氏、丘のまちびえいDMOでCMOを務める佐竹正範氏、沖縄経済同友会の情報通信委員会委員長である花牟礼真一氏が集まったのはセッション4で、日本の観光業におけるDXの今後について意見が交わされたが、ここでも課題として指摘されたのは、セッション3と同様に「観光業の未来像、新しい世界観、どうしたらいいかというビジョン」(森戸氏)の欠如だった。

 その課題を前に、美瑛では「マーケティングしようにもデータがなかなかない」「どこから来ているか、誰が来ているかわからない」ところから、町内の事業者に協力してもらってQRコードを設置してプレゼント付きのアンケートでを実施し、国別・性年代別の顧客データベースを構築。現在はペルソナまで落とし込んで、体験型商品の開発や受入体制の整備などに生かしている。

 一方、沖縄県では「リゾテック沖縄」のブランディングのもと、観光産業を情報産業で支える体制の構築を進め、「リゾート分野でのテクノロジーでは世界最高峰」をめざしているところ。具体的には見本市を開催したほか、沖縄全体がショーケースになるような実証実験、テクノロジー導入やスタートアップ、人材育成の支援も手掛けている。

 課題解決に向けた今後の可能性としては、美瑛は「地域に金が落ちる仕組み」として、コアなファンに向けてふるさと納税を呼びかけたり農産物を販売したりする取り組みに挑戦。沖縄では「データを揃えても使いこなせなければ意味がない」との考えのもと、「データを持っている企業や組織が化学反応を起こせる場を構築する」ことを重視しているという。また、観光業の造詣が深いデータサイエンティストも必要になってくると指摘された。

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