時間外労働はいかに削減すべきか-座談会レポート(前・実名編)

違反すれば刑事罰、訴訟・賃金倍返しも
弁護士と大手6社による「本音」の意見交換

  • 2018年11月6日(火)

日旅・農協・名鉄も奮闘
就業時間変更や早めの閉店、PC強制終了も

日本旅行の大賀氏  日本旅行総務人事部マネージャーの大賀賢一郎氏は、同社の社員1人あたりの年間の時間外労働時間について、ここ10年間の平均が115時間だったところ、直近の5年間では131時間と増加傾向にあることを説明。ただしその理由については、社員数や休暇取得日数の減少などネガティブなものではなく、「必要な時間外労働には適正な手当を付けるべきとし、勤務管理を徹底するよう通達・指導した結果。管理・監督者の意識レベルの向上によるものと見ている」と強調した。

 時間外労働の削減に向けた施策としては、労使協定により就業時間を6時から21時までの間において15分単位で設定できるように変更。海外の取引先との間に時差が生じるランドオペレーター業務に携わる社員についても、始業時間と終業時間を柔軟化した。また、変形労働時間制の導入により、本来は1日あたりの勤務時間を7時間45分としているところを、さらに1、2時間を追加可能にしたという。IT環境の整備については、外回りの多い営業職に携帯電話とタブレット端末を貸与。移動中など空き時間に日報や顧客情報の入力、交通費の精算などを済ませることを推奨していることを説明した。

農協観光の浅野氏  農協観光総務部人事教育課長の浅野弘巳氏は「アウトセールスや団体営業がメインの会社なので、時間外労働については問題があった」とこれまでを振り返るとともに、「抜本的な対策を立てなくてはと危機感を持ち、まずは今年1月から20時にパソコンを強制シャットダウンすることを開始した。社員の意識はかなり変わった」と説明。ただし「とはいえシャットダウンだけでは変わらない部分もあるので、さまざまな対応を続けている」とも述べ、具体的には農協会館などに入居しているカウンターを有する店舗は、早めの閉店に努めていることも紹介した。「お客様の理解が得られればできないことはない。可能な限り早めに閉めている」という。

 そのほかには、20時や21時になっても電話が鳴り続けていた状況に鑑み、夜間は留守電に切り替えていること、会議のあり方や実施時間についても再検討し、短縮化に努めていることなどを紹介した。

名鉄観光サービスの吉田氏  名鉄観光サービス総務部課長の吉田雅子氏は、実施中の主な3つの施策について説明。まず、農協観光と同じく20時に実施しているパソコンの強制シャットダウンについては「意外と効果はあると思う」と伝え、管理職の人事考課基準に「適切な労働時間管理」に関する項目を追加したことについては「あわせて、パソコンを立ち上げてログインした際に、部下の勤務状況が嫌でも目に入る仕組みも設けた」と、管理職の意識改革を促していることを強調した。また、風土改革に向けて業務効率化のためのワーキングチームを立ち上げ、社内イントラを活用してパソコンのスキルやノウハウを共有できるようにしていることも紹介した。

 これらの説明を受けてモデレーターの山田氏は、各社がさまざまな施策を実施していることを評価。その上で「まずは適正な労働時間の管理が重要では」と参加者に呼びかけた。

 なお、これら6社のうち3社は、17年度のJATA会長表彰「働き方・休み方改革部門」の各賞を受賞。日本旅行はソリューション営業本部による社内女性社員を中心としたプロジェクト「PJ☆SOL」で大賞を、ジャルパックは「ジャルパックの目指すワークスタイル・オフィス改革」で審査員特別賞を受賞している。JTBグループは、旧JTB関東の「『ゆう活』を中心とした働き方改革によるダイバーシティ推進の強化」とJTBグローバルアシスタンスの「『働くって、なんだろう』 ~働き方改革・はじめの一歩!~」がそれぞれ奨励賞を受賞。福山支店(旧中国四国福山支店)は「『残業はイレギュラー』意識改革への挑戦」が審査員特別賞を受賞している(下記関連記事)。

※後編は近日中に掲載します

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