日本遺産で地方送客へ、文化財を「ストーリー」として発信

文化庁は20年までに100件認定
認知度向上へ「国際フォーラム」開催も

  • 2017年5月10日(水)

「スピリット」を伝える工夫と演出が必要に

黒田氏  セッションの後半では、プレゼンテーションの内容を踏まえてパネルディスカッションを実施した。外国人目線でのストーリーの解説について黒田氏は「私は個人的に外国人旅行者を案内する際には、熊野古道に連れて行く。熊野古道は巡礼など精神文化的な要素もあれば、日光浴や森林浴など健康的な要素もあり、それらを感じていただいてから日本の神話や神仏習合などの考えを解説した方が理解されやすい」と説明。その上で、「旅行者が自身の経験とリンクできるような案内が必要」と強調した。また、より分かりやすく案内するためには「我々も海外の文化や風習を少なからず学んでおくべき」と語った。

 小堀氏は「日本遺産に限らず、外国人目線の情報発信や受入体制の整備などは各地で始まっている」と説明した上で、「日本遺産に選ばれた地域は、選ばれたことを喜んでいる場合ではない。早急に海外への情報発信をおこない、良いと言われたことは自信につなげ、悪い所は少しずつでも直していくべき」と主張。情報発信と受入対策を両輪で進める必要性を示した。

 生駒氏は、日本遺産は「日本のスピリットを訪ねる旅」であり、「観光地をただピーアールすれば良いというものではない」と指摘。その上で「スピリットという目に見えないものを伝える方法については、さまざまな価値観を持った人が集まって色々なセッションをおこなうべきで、特に外国人の捉え方は我々にとって非常に刺激になるはず」と語り、やはり外国人目線による情報発信の必要性を示した。

トーザン氏  具体的な取り組みとしては、地域の内外の人々が交流できるワークショップなどをおこなうことを提案。国際ジャーナリストであるドラ・トーザン氏も「もっと外国人と一緒に何かを考えるべき。日本人だけで考えていては思いつかないような発想が生まれてくる」と述べ、生駒氏の意見に同意した。

 生駒氏はそのほか、奈良県の明日香村などでは歴史的景観を守るための条例が定められていることなどを紹介し「観光地化のためには無駄な看板を立てすぎない、新しく建てる建築物も瓦屋根の木造建築にするなど、美しい自然や歴史を感じられる演出も重要」と説明。加えて、「演出した物語を分かりやすく説明する案内板や、欲を言えば英語で説明できる語り部がいると良い」と述べ、旅行者の理解を促し、楽しんでもらうための工夫が必要と語った。

 生駒氏の意見を受けて黒田氏は、「日本と海外の両方の文化や常識をある程度理解し、日本に到着してから帰国するまでの案内ができるトータルコーディネーター」と「日本の現代と過去の両方を理解し、地元での案内ができる語り部」の両方がいれば、日本遺産を商品化しやすくなると説明。参加者にさらなる協力を求めた。

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