南ア、16年の回復に自信、中小事業者の成長に期待

  • 2016年6月2日

日本の旅行会社は多様なコースの造成を
秋に全世界的キャンペーン

今年はダーバンICCセンターにアフリカ18ヶ国から1047社が出展  5月7日から9日まで、南アフリカ共和国のダーバンで、アフリカ最大のトラベルトレードショーである「INDABA(インダバ)2016」が開催された。今回はアフリカの18ヶ国・地域からサプライヤーが集まり、3日間で7292 人が来場。1万4000件以上の商談がおこなわれた。また、今回は初めて中小事業者にスポットを当て、専用の商談ゾーンも設けられた。


16年は急速な回復傾向
観光省と各省庁の協力関係も強化

ハネコム氏のテープカットでスタートパネルディスカッションでのカーサ氏(左)とクエスト氏(右)「ウォークアバウト」で各ブースを訪問したハネコム氏  15年に同国を訪れた外国人観光客の総数は890万3773 人で、前年から6.8%減少した。開会式直後に開催されたパネルディスカッション「メディアトーク」で、MCを務めたCNNプレゼンターのリチャード・クエスト氏に減少の要因を問われた観光大臣のデレク・ハネコム氏は、「エボラ出血熱による風評が最大の理由」と説明。このほか、改正入管法の施行で入国が厳格化されたことによる影響も挙げた。一方で風評被害も落ち着き、「今年の1月は15.4%増、2月は18.0%増、3月は23.4%増と大幅な回復を見せている」ことをアピールした。

 パネルディスカッションではクエスト氏が、4月に同国のスポーツ省が、代表チームに占める黒人選手の割合が基準を満たしていないラグビーなど4競技の国際大会招致の禁止を通達したことが、観光業や経済全般への打撃になると指摘。これに対し、パネリストが「重要事項の決定に至る前段階での、各省庁との協力関係の強化が必要」と指摘した。さらに、会場からの質問に答える形で、ブランドUSAのようなアフリカ全体のブランディングの可能性、治安の風評、LGBTツーリズム、国営企業である南アフリカ航空(SA)の経営、アフリカ大陸内の移動に関するオープンスカイ政策などが議題に上った。