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現地レポート:メキシコ、世界のセレブを魅了するロスカボス

  • 2018年5月30日

ハネムーンや記念日旅行に勧めたいもう一つの大人リゾート
開発進む高級ホテルと海の楽園での特別体験

半島の先端のロスカボスは、朝夕の自然のショータイムも見どころの一つ。白い「ル・ブラン・スパ・リゾート」が染まるリッチな時間

 かつて“地の果て(Land's end)”といわれたバハカリフォルニア半島。その先端エリアにあるロスカボスは、今やハリウッドスターをはじめ、世界のセレブが豪華クルーザーやプライベートジェットで訪れる高級リゾート地であり、今後も5つ星クラスを中心に計2万室の開発が予定されている注目のエリアだ。日本でメキシコのリゾート地といえばカリブ海に面したカンクン一辺倒だが、地理的に真逆の西側に位置するロスカボスには一味違う魅力がある。ハネムーナーや記念日旅行の選択肢としてメキシコの競争力を増しそうだ。アエロメヒコ航空(AM)のプレスツアーで取材した新たなメキシコ旅行の素材を紹介する。


海の豊かさに恵まれた極上のリゾート

2つの町の海岸線に今後2万室の開発が予定。波が高いので公共ビーチ以外は遊泳禁止

 メキシコシティからAM国内線に乗り継いで約2時間強。バハカリフォルニア半島の先端、カボサンルーカスとサンホセデルカボの2つの町とその間の海岸線のエリアが、ロスカボスだ。年間約300日が晴天のこの地は、乾燥した丘陵地に林立するサボテンが濃い青空に映え、日本人が真っ先に思い浮かぶメキシコの素朴な風景が広がる。


ゾディアックボートでのホエールウォッチング。クジラを見つけると猛スピードで急行

 しかし、ロスカボスが面する太平洋とカリフォルニア湾(コルテス海)は、伝説的な海洋探検家の故ジャック・クストーに「世界の水族館」と言わせるほどの多様性に富み、東側の自然保護区カボプリモは世界自然遺産の登録地域でもある。世界屈指のエコエリアの体験と、セレブの期待に応えるハイエンドのリゾートでの滞在がロスカボスの特徴であり、同地をプレミアムなデスティネーションに押し上げる要素となっている。

ロスカボスの象徴的存在の「ジ・アーチ」。クルージングではこことアシカのコロニーに立ち寄る。いずれも出航後すぐに到着

 まずはロスカボスでの体験から紹介したい。ここでは何といっても、マリンアクティビティは欠かせない。ダイビングやシュノーケル、クルージングなど、海のリゾートで楽しめるアクティビティが一通り揃うが、ロスカボスではその種類とダイナミックさが魅力。

 特に注目はホエールウォッチング。温暖なロスカボス周辺には冬から春にかけて、ザトウクジラを筆頭にコククジラやシロナガスクジラなど9種のクジラが、繁殖と子育てのために集まる。その数、最も多いザトウクジラだけでも2500頭に及ぶ。そんなクジラのメッカだからこそ、沿岸のリゾートからは肉眼でクジラを見ることができ、ホエールウォッチングツアーでは、沖に出ずとも海岸に近い距離でも見られる。そして、クジラに遭遇できないツアーはほとんどないという。

驚くほど近くで見られることも。意外と岸に近いところで泳いでいる

 ツアーの船は、優雅に鑑賞できるクルーザータイプから、小回りが利くゴムボートのゾディアックタイプまで多様。ドライバーが指し示す、水面がすっと円形に穏やかになった辺りに注目していると、そこからクジラがジャンプして現れる。少し迫力が足りないのは、赤ちゃんのクジラ。母親が子どもにジャンプの仕方を教えるといい、今回のツアーでは並列して泳ぐ2頭に遭遇することが多かった。そんな姿は、これから新しい家庭を築いていくハネムーナーには、より印象深く映るだろう。

クルージングの出発地、カボサンルーカスの港にまでアシカやペリカンなどがやってくる

 ホエールウォッチングの季節は12月中旬から4月中旬。それ以外にもイルカやジンベイザメのウォッチングツアー、シュノーケルやダイビングではアシカやウミガメとの遭遇も期待でき、1年中何かしらの海洋生物と出会える機会がある。世界のダイバーが集まる近郊ラパスも、同様の体験ができる旅行地として著名だが、ロスカボスでは高級リゾートでの滞在客向けにアクティビティが運営されているのが特徴だ。